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2013.12.26

「フィギュアなあなた」☆☆☆☆



 健太郎は理不尽な理由でリストラされてヤケ酒をあおり、チンピラとトラブルを起こして廃墟ビルへと逃げ込む。そこでたくさんのマネキン人形が廃棄されているのを見つけるが、そのなかに人間の少女のようなリアルな肉体をしたセーラー服姿のフィギュアを見つける。

 どうもこのところの石井隆は女の股間にこだわりすぎてないか?(笑) わざわざそんなに見せてくれなくてもいいんだよ。ノーパンで宙づりで下から撮り続けのカットとか。そこまでできる女優さんたちの勇気は素晴らしいけど、もっとキレイな撮り方いくらでもできるだろうに。
 人間なのかフィギュアなのか単なるマネキンなのか分からないけど、自分の意のままになる美少女人形が手元に現れれば基本的に男はあんな感じの行動をとるでしょう。持って帰るかどうかは微妙なところですが、動き出して自分を助けてくれたりした日にゃああ、やっぱり連れて帰るでしょうか。共感できるなあ。(笑)
 序盤の柄本祐くんの上司竹中直人さんへの妄想などがうまい具合に伏線になっているし、虚実入り乱れた展開にこちらとしてもクラクラして判断できなくなりそうですが、正直面白いです。結局どこからどこまでを画面通りに信じればいいのかなど分からない部分も多いですが、極限状態に追い込まれた奴がそのなかでクラクラしていくさまが迫力もあり、とてもよかったです。この題材でこの内容はやっぱりスゲエなあ。

(DVD)

「共喰い」☆☆


 昭和63年の夏、17歳の遠馬は父の円とその愛人の琴子と三人で暮らしていた。円には性交の際に相手を殴る性癖があり、琴子の顔には痣ができていた。その現場を見てきた遠馬は、円の血をひく自分も恋人の千種に同じことをするのではないかと恐れていた。

 息子は例えば恋人の首を絞め、それを許さない相手にただやりたいからやらせてくれ的なことを言いさらに怒らせる。死ねよって思わず口に出る。父親はさらに極悪非道である。わけわからない。死ねよってこれまた思わず口にする。そんな親子の物語にやはり思い入れは感じない。母親もまた、息子の恋人のことをもっときれいな子ならいいのに的なことをさらっと言う。誰一人としてまともな者はいない。この家族の行く末は、なるべくしてなるものである。
 家族だけならまだいい。この家族に関わった人たちすべてが不幸になっていく。その不幸の連鎖をどうやって断ち切るかっていえば、結局方法は一つなのかなとか、思っちゃうところがこの映画の力でもある。あんま好きじゃないなあ。

 父親の愛人役の篠原友希子さんも息子の彼女役の木下美咲さんも知らなかったけど、どちらも好演。この映画の収穫だね。

(静岡シネギャラリー)

2013.12.15

「かぐや姫の物語」☆☆☆

 竹取の翁が見つけた光り輝く竹の中からかわいらしい赤ん坊が現れる。赤ん坊は瞬く間に美しい娘に成長し、翁ら夫婦と共に都に移り住む。娘はかぐや姫と名付けられ、その美しさをうわさで聞き付けた5人の男たちが求婚してくる。

 かぐや姫の物語は文章では絵本レベルでしか読んだことないので、実際にはどこまでの深さを持った物語かは知りません。だからこの映画が新解釈とか言われてもどの部分がオリジナルなのかはいまいち分からないのですが、姫が感情を持って周りの人と接していた部分などはきっとこの映画ならではなのでしょう。それを除けば僕がかぐや姫の話に持っている印象とは大きく異なる部分はなく、そこがちょっと驚きで、話自体には新鮮味はありませんでした。
 美くしく魅力的な姫が心ならずも男たちを翻弄し、それに苦しんでしまうさまは悲劇的だし、運命に逆らえずに月に帰っていくことになる様子も悲しく思います。しかし姫の気持ちを深く考えない翁や婿候補や帝の姿はちょっとイライラもする。姫がグングン成長する必要性も感じないし、姿を見たことがないのにあそこまで愛せる男たちも不思議だしね。面白いもんでもないなあと思います。はるか昔に観た沢口靖子さんの「竹取物語」と似たような印象です。

 しかし圧倒的に魅力的なのはやはり美術面でしょう。筆で描いたようなささっとした図柄はとても素晴らしい、桜の木の下で喜び踊る姫はやっぱり美しい。映像美を堪能するための映画だと思いました。

(シネシティザート)


「清州会議」☆☆

 本能寺の変によって織田信長が亡くなり、筆頭家老の柴田勝家は織田の三男の信孝を、羽柴秀吉は次男の信雄を信長亡き後の後継者として指名する。後継者を決めるため、清須城で会議が開催されることになり、勝家は信長の妹・お市、秀吉は信長の弟・三十郎信包を味方にする。

 これはいまいちだったなあ。期待したのはシチュエーションコメディで、清州会議と言う大舞台でちょっとしたズレから話が転がり結果として秀吉が天下を取っちゃったみたいなものかと思っていたのに、全然そんなことはなく話は真面目で、秀吉はなるべくしてなるかたちで天下を取る。8割方のシーンはクスリともしない歴史劇で、そのなかに小さく笑いを挟んでくるので落ち着かないし全然面白くない。この映画は何をねらっているのか全然分かりませんでした。笑わせたかったのかなあ。それにしては作りが真面目すぎるんだよ~。

 秀吉役の大泉洋さんは小賢しい感じはするけど、腹に大きな野望を抱いているようにはなかなか見えないね。笑わせるためだけにいるような妻夫木くんをはじめとして無駄に豪華なキャストが空回りしているようにさえ思えました。
 それにしても鈴木京香さんが怖すぎ~。存在感デカすぎじゃない。

(静岡東宝)


2013.12.09

「東京シャッターガール」☆☆☆

 写真部に所属する女子高生の歩が、カメラを手にしながら成長する姿を三様の切り口でつづるオムニバス。歩は撮影することでその被写体の命を終わらせてしまう感覚に陥りシャッターが切れなくなる(『わたしは、シャッターガール』)。東京スカイツリーの建設過程を撮影していた歩は、ツリー完成後に撮るべきものを見失ってしまう(『写真って何?』)。写真のことになるとわれを失う歩だったが、彼女に思いを寄せる男子生徒がいた(『夢路!お前無茶すんなぁ!』)。

 同じ原作を1本の映画の中で3人の監督が3通りのキャスティングで描くオムニバスという発想はいままでなかったのではないかな。これは非常に新鮮です。あの役を今度はこの子がとか、こいつとあいつは同一人物かとか、なんか楽しい。しかも全く別の映画を三本観たような感覚になるほど、それぞれが個性的なのもいいですね。
 1本目はほとんどイメージムービーでこれと言ったドラマはなく、ただカメラ美少女が写真に悩んで成長する姿を見せる萌え映画。この雰囲気が続くとツライかとも思わせるけど、これは後2本への布石にもなっている感じ。2本目はドラマチックな展開もあるメインストーリー。もう少し膨らませれば十分に1本の映画になるボリュームでもあるので、一番印象に残りますね。青春映画としてさわやかな印象。しかし一番面白かったのは僕のお気に入りの寺内康太郎監督作の3本目。真面目っぽい印象の前2本とは打って変ったコメディタッチで笑いました。

 3本通してみると主人公のキャラクターがどれも違ってて、原作ではどんな子なのかとても興味を持ちました。ただこの子が男女問わずにモテモテだということだけは一貫していましたね。(笑)

(東京都写真美術館ホール)


「恋する歯車」☆☆☆

 事故で両親を失った大学院生の祐市は生きる気力を失いかけていたが、ある夜、自殺しようとしていた女性リサをとっさに助け、自分と似た境遇の彼女にひかれていく。やがて両親の事故に不審な点があることを知った祐市は自ら調査に乗り出すが、その過程で自身の出生にまつわる意外な事実が発覚する。

 ヒロインの素性を含め、事件のあらましはよく練られていて意外性もあってなかなか面白かったです。この話がどこに行き着くのかとか、二人はどうなるのかなど興味を持ち続けながら見ることができました。ラストも意外な終わらせ方だし、悪くはないかと。
 ただラブサスペンスとして緊張感を持ったハラハラを期待するといま一つ盛り上がりには欠けるかも。ヒロインの個性がファムファタルでもなく、ミステリアスでもなく、守ってあげたくなるような美少女でもなく、どうもその辺にいくらでもいるような普通の子なのが気にかかるのかな。主人公の周りをうろつく青年たちの行動も計画性が感じられずに中途半端に見えちゃうし。あとタイトルも意味不明。

(DVD)

2013.12.04

「ももいろそらを」☆☆☆☆☆!

 ある日、女子高生のいずみは30万円入りの財布を拾ってしまい、成り行きから失業寸前の知り合いの印刷屋のおっさんにその中の20万を貸してしまうことに。しかし財布の持ち主に興味をもった友達と共に、財布を返しに行くことになり、20万を抜き取っているいずみはそこから思わぬ事態に巻き込まれていく。

 すごい! 素晴らしい! こんなに面白い青春映画を観れて幸せです。最初から最後までゲラゲラ笑いどおし。いや、ニコニコかな。主人公の一つ一つの言動がとても魅力的で目が離せない。彼女が少しずつ少しずつ思いがけない方向に流されていくのがとても面白いし、その状況の中でも自分を失わずにいるのが素晴らしい。新聞に点数をつけるのとかって最初は何やっているのか分からないくらいにヘンな行動なのに、ずっと見ているとそれがなんて自然な行動なんだろうとか思ってしまう。女子高生なのにおっさんにタメ口で姉御肌。それでいて友達には最大限には強く出れずに面倒に巻き込まれちゃうのもおかしい。くるくる変わる表情もおっかしいし、おや、惚れたか>おれ

 ももいろそらを、なんてタイトルなのに全編モノクロの映像の馴染みもいい。最後に画面がももいろになったかどうかはお楽しみ。なんにせよモノクロ映像がとても美しいし、音楽の一切ないのも逆に引き込まれる。巻き込まれた新聞作りと拾った財布のスパイラルが最後に収束するのも素晴らしい。ラストは切ないながらもくすっと笑えちゃうし、とにかく最高! 大絶賛!

(DVD)

「絶叫学級」☆☆


 女子校に通う加奈は誰よりもきれいになりたいという希望を持っていた。ある日親友の絵莉花から「旧校舎に出没する女の子の幽霊に願いごとをすると、大切なものを失う代わりに願いがかなう」という伝説を聞く。加奈は読者モデルとしての雑誌に載ったことで美人で学校の人気者リオに目をつけられていた。その状況から抜け出すため、加奈は旧校舎に立ち入り願いごとをしてしまう。

 話の8割が陰湿なイジメの描写でとことんまで気分が悪い。最初にイジメられる少女が明らかに挙動不審気味なこともあり、観ている側にもあれじゃあイジメられても仕方ないよね的な印象を与えようとしているのではないかと邪推させられてしまうつくりも気に食わない。イジメる側の少女もいかにもなスクールカースト最上位の美少女で、あんな子だったらイジメるのも納得できるよね的な印象も受ける。気分が悪いことこの上ない。
 主人公がその美少女から受けるイジメはもはやイジメの範疇を超えた犯罪行為であり、普通だったらとても立ち直ることはできないであろう仕打ちにもかかわらず、主人公はあっさりと立ち直り、何事もなかったかのようにその少女たちを受け入れる。よく分からない。
 そもそもホラー的な部分がそのイジメの流れとうまくリンクしていようには思えず、無理矢理二つの話をくっつけたような印象はぬぐえない。たしかに主人公の幽霊の呪いへの願いはかなえられ、その代償に大きなものを失ったようにも見えるけど、ホラーですべてを解決したかのようにあっさりとお話は終わってしまい、消化不良で本当に気持ちが悪い映画でした。

 髪型の印象が「あまちゃん」とは違って最初気がつかなかったけど、友人役の松岡茉優さんがよかったね。イジメる側の広瀬アリスさんは本当に嫌な奴に見えちゃって可哀想。波瑠さんは「幽かな彼女」でイジメを止められなかった教師を責めていたけど、今度は自分がその立場に。(笑)

(DVD)

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