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2010.04.28

「クレヨンしんちゃん 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁」☆☆☆☆

 ある日野原しんのすけの前に現れたタミコは、未来からやって来たしんのすけの花嫁だと名乗る。未来のしんのすけがピンチにあい、彼を救う為には5歳のしんのすけの力が必要なのだと言う。そんな話は信じられないしんのすけだったが、かすかべ防衛隊の面々と共にタミコに連れられて未来にタイムスリップしてしまう。

 何年か前までは「しんちゃん」映画は毎年欠かさずに観ていたのだけど、ここ数年は観たり観なかったり。一昨年は観たけど去年は観なくて、でもそれでも寂しい想いをしたわけではありませんでした。しかーし今年は未来のしんちゃんと野原家、そしてなんとしんちゃんの花嫁さんまで登場するとあっては観に行かなくてはなりません。(そんなことはありません) もう待ち遠しくって待ち遠しくって。(笑) これ観逃してたらチョーショックだったでしょう。
 そんな期待大の状態であっても大満足。面白かったです。普通だったら「誰と結婚するのか」とか「どういういきさつで出会い、結婚するのか」というのがメインになってもいいと思うのに、もういきなり結婚することになっててしかもいきなりの大ピンチから話が始まると言うのには驚きました。この映画の最後に小さなしんちゃんおかげで結ばれるってのがありがちなパターンだよね。出し惜しみ度ゼロ。潔いです。のび太がしずかちゃんと結婚するように、しんちゃんがネネちゃんと結婚するなんてことはなかったのね。(笑)
 そんなところから話が始まってしまってその後どうなるのかと思いますが、未来の野原家の面々やかすかべ防衛隊の仲間たちのその後の姿には笑わせてくれるやら考えさせられるやらで全然飽きさせないですね。父ちゃんと母ちゃんの姿には笑った。小さい頃のしんちゃんのホッペを触って懐かしがるのとか分かるなあ。花嫁(希望)軍団最高です。

(静岡東宝)

2010.04.27

「闇のまにまに 人妻・彩乃の不貞な妄想」☆☆

 倦怠期真っ只中の人妻・彩乃は、夫との冷めた関係にストレスを感じていた。英語の教材を訪問販売する仕事に就いている彩乃はある日同僚でトップセールスマンの西条に激しく欲情し、関係を持ってしまう。西条との不倫の情事にどんどんのめりこむ彩乃だったが、それと時を同じくして営業先でドア越しに見かけたきれいな手が気にかかっていた。

 もうかれこれ20年位前、内田春菊さんの漫画が激しく好きでした。この映画の原作漫画を読んだのもたぶんその頃だったでしょう。探せばダンボールの中にあるかもしれません。観るまでは分かっていませんでしたが、話は覚えていました。でも途中からちょっと違ったと思います。
 しかしこうして映画として観てみると、よく分からん話だなあ。(^^;) 夫との冷めた関係の中で不倫に走る若妻の話と、彼女が目にするキレイな手、そして幽霊めいた謎の女の影、そして朦朧とした中で彼女が見る妄想。これらがどうリンクしていくのか途中まで全く分かりませんでした。一応それらしき答え?は示されるものの、全然理解できません。なんでそれで彼女にあんなことが最後に起きるのでしょうかね。確か原作では最後の展開はなかったはず。ドラマチックにしたいがためにちょっと詰め込みすぎ、絡めすぎではないかな。サブタイトルもあまり合ってない気がします。

 主演の琴乃さんは知らなかったけど、AV出身かな。結構可愛くてグッドです。

(静岡小劇場)

「パレード」☆☆☆☆

 映画会社に勤務する直輝、自称イラストレーターの未来、若手人気俳優と密かに熱愛中の琴美、そして大学生の良介は都内のマンションでルームシェアをして暮らしていた。最近近所では女性ばかりを狙った連続暴行事件が起きている。時を同じくして、彼らの部屋にサトルと名のる少年が出入りするようになる。

 面白かった。面白かったんだけど、正直に言っちゃえばちょっと拍子抜け。各人どれだけすごいトラウマや悩みを抱えているんだろうと思ったし、連続傷害事件との関わり方も意外性をかなり期待していたんだけど、どちらもなんか不完全燃焼気味。
 象徴的なのが香里奈さん演じる未来が観ているビデオだな。最初はメガネに映る映像だけで見せる(何が映っているか分からない人もいるだろうに)なんて思わせぶりなことしているから、絶対に自分の過去に深く関わっているビデオなんだと思っていたら全然そんなんじゃないの。あれだったら最初から何が映っているのかをはっきりと見せないとダメなんじゃないかね。要するにほとんどがみんな思わせぶりなんだよね。だからどんどん期待が高まって物語に惹きこまれていくんだけど、最後にはほとんどがエーそんなことなのっていうレベルで終わってしまう。8割方面白いんだけど、最後の2割は非常に残念です。

 まあ行定さんの映画って実はいつも結構こういった感じ。明るく奔放に、それでいて真面目に暮らしている若者たちが実はとても暗かったり重かったりするものを抱えていますってのが行定イズム。でもリアリティを追求したがるがゆえにドラマチックなほどには深くはない。誰でも同じように悩んでいるだよ的な適度な深さである。それがいいときもあれば中途半端に感じるときもある。今回はちょっと中途半端気味でした。終盤までほとんどがとても面白い流れで来ていたから惜しいんだけどね。

(静岡シネギャラリー)

2010.04.20

「東京物語」☆☆☆☆

 昭和28年、尾道に暮らす周吉とその妻のとみが子供たちを訪ねて東京に出掛ける。しかし長男の幸一も長女の志げも毎日仕事が忙しくて両親をかまってやれない。そんななか戦死した次男の妻の紀子が二人を東京名所の観光に連れて行く。結局子供たちからはあまり温かく接してもらえなかったが、それでも両親は満足して尾道へ帰っていく。しかし帰郷して数日後、思いもしないことが起きる。

 これを言うと驚いてくれる人もいるのですが、実はこれが僕にとっての初小津映画。(笑) いつの日か観るだろう、観なくちゃああと思い続けて何十年。やっと観ました。まあ成瀬も溝口も3年前くらいまで観たことがなかったような奴なので不思議はないのですが。黒澤とか木下、今村、今井なんぞは晩年に間に合ったから劇場で観ていますが、この辺は全然間に合わなかったんだよね。内田も先日やっと観たし。あとは山中、マキノか。他は誰が残ってますか?

 さてこの映画はキネマ旬報の「映画遺産日本映画編」で1位に選ばれるなど、まあ間違いなく日本映画史上における意味合いとしてはかなりの位置に君臨している映画ではあるでしょう。ただ僕が常々思ったり言ったりしている通り、「日本映画史上一番優れたいい映画」かというと、そんなことは決してありません。映画はどんどん進化しています。50年以上もこれよりいい映画ができてないなんて絶対にありえない。たぶんこれよりいい映画、感動できる映画、上手い映画、優れた映画などは毎年10本ずつ位(ちょっと多すぎ?)は作られてきているでしょうね。だからたぶんこの映画は作品の内容そのもので見ればベスト300位とか500位とかくらいの映画ではないかと思います。ただもちろん、あの時代に作られ、多くの人たちに何十年も愛され続けてきたことに価値があるのですよね。

 しかしこの平成20年代に観る昭和20年代の現実性のなさよ。本当にアレは日本なのかっていうくらい何もかも違う。田舎から出てきた老いた父親が連絡もなく午前様して「今日はもう帰ってこないかと思った」とか言える?(笑) いまだったら絶対捜索願だぞ。尾道から東京まで丸1日。それを「昨日尾道を出て今日にはこうしてみんなに会えるなんて幸せ」とか言える?(笑) いまだったら数時間だぞ。うーん、違う。
 ただ忙しさにかまけてせっかく来た両親の相手もなあなあだったり、両親が尾道に帰ってからの出来事に対して乾いた態度を見せる子供たちの姿は非常にリアルだねえ。また優しく心穏やかに暮らしているかに見える次男の未亡人(この人が原節子さんかあ)の心の痛みを吐き出す場面などの痛烈さはなかなかのものですね。だからベストワンなのかな。固定カメラで人物の真正面からのアップを交互に切り替えてセリフのやり取りを撮ったりするのは好きではないけど、お話自体はいい映画でした。

(TV)

2010.04.13

「スイートリトルライズ」☆☆☆☆

 瑠璃子と聡は結婚して3年。他人からは幸せそうといわれるが、瑠璃子はいつも寂しさと孤独を感じていた。ある日瑠璃子は、自作のテディベアの個展で自分のベアを欲しがる青年、春夫と出会う。また同じころ、聡も大学時代の後輩のしほと再会していた。

 結婚12年目の私にとって、夫婦間の愛情やら浮気やら秘密やら離婚やらといった事柄に対するものの見方は15年前とも10年前とも5年前とも現在では大きく違います。それぞれのタイミングでいろんな感情を持って夫婦生活家族生活を送りとおしてきたこの12年間があって、いまの僕の気持ちがあるのだから。5年後にはまた違う気持ちを持っているでしょう。
 ということでこの現時点で見るこの映画のスリリングなこと。(笑) オレだって池脇千鶴ちゃんみたいな娘と浮気してみてーよ、みたいな心の叫びは封印したとしても(←こういう感想が多いな、オレ)、夫婦間で秘密やらウソやらを秘め混みあって微妙な距離をとり続ける二人の姿はひじょーにドキドキしました。ちなみにウチの夫婦はあんな感じではありません。念のため。ただ今年は「今度は愛妻家」といい、僕にとって息苦しい夫婦映画が続きましたよ。

 いやでも実際、スリル性やサスペンス性が高いわけではない(お互いの浮気がニアミスする場面はあれど)題材の映画なのに、普段の二人の生活やその間(ま)の描写だけでこんなにスリリングなのはスゴイね。二人がどっちへ流れていくのか最後まで分からず、目を放せませんでした。面白いです。

(MOVIX清水)

2010.04.12

「ソラニン」☆☆☆

 社会人2年目の井上芽衣子は、同棲相手の種田の勧めもあってあっさりとOLを辞めてしまう。その決断にあせる収入の低い種田だったが、芽衣子は晴れやかな気分。種田は大学時代の仲間である加藤、山田とのバンドを細々と続けていたが、ふとしたきっかけから再びバンド活動に熱を入れることを決め、自身の持ち曲である「ソラニン」をレコーディングすることとする。

 きっと漫画のファンからすればかなりの精度で漫画の世界をトレースできていて満足度が高い映画なのではないかなとかいう予想。(違ったらスミマセン) しかし原作を知らない私にとってはけっっっこうイライラしてしまうのでした。
 君たち、人生なめてんでしょ。ハイなめてます。さしたる理由もなく会社を辞めてしまう主人公も、生活の基盤もできていないのに中途半端に夢を捨てきれずに仕事にも身が入らない彼氏も全然理解できない。親に人生考えろみたいに言われて「ちゃんと考えている!!」とか言ってその場を逃げてしまう姿にはハラワタ煮えくりまくりじゃない? 人の親としては。あんな子供にしないことが子育ての目標ですね。
 って言うかそれ以前に、入社1年しか働いてないのに退職してから1年以上も東京で家賃払いながら生活できるだけの貯金があるって絶対ウソ。イイカゲンだなあ。学生の頃から稼いでいたのか? それとも描写されていないだけでやばい仕事でも? 人生なめるにはそれだけの理由があるのだ。あそこは僕らが住んでいるこの世ではないのだ。
 彼氏の事故についても、何であんなふうになるのか全く分からないね。あの描写はどういう意味? わざと事故った?

 ってことで9割方全然面白くないのだけど、最後のライブシーンだけは見ごたえがあるね。宮崎あおいさんが数ヶ月練習しただけで演奏し歌ったというパフォーマンスは、役柄的にも数ヶ月の練習での演奏と言うことなので違和感なし。観客の反応もそういうレベルのものを見ている反応だし、そうきちんと描写しているのがよい。それでいて劇中でのあの演奏の意味するところはきちんと僕らに伝わってくるのだからいいじゃない。あの最後の演奏でこの映画は救われたよ。
 宮崎あおいさんはなんだかんだ言っても出る映画出る映画それぞれきちんと存在感と作品的実績を残すから素晴らしいね。高良健吾くんは去年くらいから絶好調だけど、今年は主演作も多くいよいよブレイクか?

(MOVIX清水)

2010.04.10

「誰かが私にキスをした」☆☆

 インターナショナルスクールに通う、ごく普通の高校生・ナオミはある日階段から落ち、気がつくと過去4年間の記憶を失っていた。一緒に病院に行ってくれたユージ、共にイヤーブックを編集しているらしいミライ、そしてナオミの恋人だと言うエースらに囲まれ、ナオミは記憶を失ったまま学生生活に戻るが。

 いやあ、不思議な映画でした。言い直そう。いやあヘンな映画でした。(笑)

 とにかくセリフ回しが気持ち悪い。日本人なら絶対にそんなこと言わないよってクサーいセリフのオンパレード。でも彼らは普通の学校に通う日本人ではないのだ。インターナショナルスクールに通って多くの外国人に囲まれていると日本人でもあんなふうな思考になっていくのでしょうか。よく分かりません。
 ただまあ一つ言えることは、あんな気持ち悪いセリフを普通に使いまわし、あっという間に好きな相手を代えていくあの超人類たちに、感情移入することはできません、ってことよね。いや、全然分からなかった。

 堀北真希ちゃんは出始めた頃は作品にも本当に恵まれていてどれだけ代表作を増やしていくのだろうと思ったのだけど、ここ2、3年は本当に作品に恵まれてないよね。ただこんな風にストレートにラブストーリーに挑戦していろんな相手とキスしまくりなんて役をやるようになったかと思うと、まあそれはそれで感慨深いものがありますな。おじさんとしては。(笑) キスシーン自体初めて見たような気がするし。

(MOVIX清水)

2010.04.06

「時をかける少女」('10)☆☆☆☆☆!

 大学入学を目前に迎えた芳山あかりは、ある日事故に遭った母親の和子の願いを受け、和子の作った薬を使って1972年の4月にタイムスリップを試みることになる。しかしあかりは行き先を間違え、1974年の2月にたどり着いてしまう。あかりはそこで出合った映画青年の溝呂木涼太の下宿で世話になりながら、和子のメッセージを届けに和子のかつての知り合いである深町一夫を探すことになる。

 泣けた。

 と言っても話そのものと言うよりは83年原田知世版「時かけ」の名シーンを再現したカットなどにそれだけで泣かされてしまったのさ。例えばこの映画単独で昔の和子がタイムリープをしたなんて設定は全く必要ないものね。完璧に83年版あってこそのこの続編的な映画。これを単独の一本の映画としての評価がどうなのかは83年版を生涯ベストワンとしている僕にはできないのだけど、でもやっぱりこの映画には泣かされてしまいました。83年版をこんなにも好きということを再認識させてくれ、また83年版をこんなふうに愛してくれている人がやっぱりいるんだと言うことを改めて教えてくれたこの映画を、僕はやっぱりとても愛してしまうのです。

 とか書いたけど、実はこの映画の話も好き。狙った時間にタイムリープできなくてあたふたするとか、その時代で出会ってしまった青年に恋をしてしまうけど生きる時代の違いという壁の存在に苦しむ微妙な感情とか、タイムパラドックスに対する厳しい掟とその事実のショッキングなまでの非情さとか。たぶんこれ単独でもこの映画のことが僕は好きだと思います。

 仲里依紗さんはあれよあれよと気がついたら超ビッグになってしまいましたね。数年前はじめて観たときにはそれほどのインパクトでもなかったのに、いまではメチャクチャ気になってしまいますよ。

(シネスィッチ銀座)

2010.04.05

「飢餓海峡」☆☆☆☆

 戦後まもなく北海道地方を襲った台風により、青函連絡船が転覆し多数の死者を出す事故が発生したが、その死体の中に身元の分からない2人がいた。同じ頃、青森県大湊の女郎の八重は、犬飼と名乗る見知らぬ客から思いがけずぽんと大金を渡される。そのお金で借金を返済し上京することとした八重は犬飼を恩人として心に思い続け、いつの日のかの再開を思い描いていた。

 40年以上も昔の映画で、白黒、ワイド画面、そして3時間。こんな映画をテレビ画面で観るなんてことはビデオ&ブラウン管時代にはとても考えられなかったのだけど、こうしてDVD&液晶画面の時代になってくれたおかげで、こんな映画も家で観るのに耐えられるようになりました。時代の流れも悪いことばかりじゃないですね。

 上に書いたように3時間もある大作なのだけど、(2日に分けてしまったとは言え(^^;))ほとんどつらい思いもせずに一気に観れてしまう面白さでした。10年近い激動のドラマで登場人物も多く話も入り組んだ部分もあるのに全く混乱することなくスーッと入ってくるのはいいねえ。トリック的には推理ものと言えるようなものではないけど、終盤に明かされる事実はオーそういうことかと思わせるし、途中30分くらい主人公たる三國連太郎さんが退場していてその間の主人公だった左幸子さんが三國さんの復活と共にあっという間に退場してしまう展開には驚きました。(笑)

 それにしても若い頃の三國さんはやっぱり佐藤浩市さんに似ているね。高倉健さんも若くて新鮮。(笑)

(DVD)

2010.04.03

「ボーイズ・オン・ザ・ラン」☆☆☆☆

 三十路目前のさえないサラリーマンの田西敏行は職場の飲み会で会社の後輩、植村ちはると初めて話し、それをきっかけに二人の距離は急速に縮まっていく。しかしあるとき風邪で寝込んだちはるを見舞った後、彼女の隣に住むソープ嬢のしほの部屋に酔ったしほを送り届けたことから、田西とちはるの関係は大きく変換していくことになってしまう。

 原作は連載時にほぼ完璧に読破。単行本を揃えようかと思った程度(でも結局買わず)にハマった漫画でした。ダメな奴が主人公だと共感度が高いし、そいつが頑張ってもなかなか高みには上がれないと言うのもリアルでちょー面白い。10巻あるうちの5巻までを原作としているために後半の主要なキャラクターが出てこないのが残念だし、ラストがちょっと中途半端にも思えてしまうのは致し方ないのだけど、でもたぶん原作を知らなかったらかなり斬新な終わり方なのかもしれないね。
 だって後半がないがために、ヒロインのちはるから受ける印象がかなり違う。いや、後半があるなし以前にここで描かれた彼女のイメージは結構違うのではないか。原作を通して読んだ人のほとんどはさほどいい印象を持たないであろうあのちはるが、この映画ではちょっとばかり他人の気持ちが分からず、ちょっとばかり鼻につく部分を持っただけの、愛されるべき悲劇のヒロインではないか。これは絶対に後半も続編として映画化して欲しい。それであの後半のちはるもきちんとこの映画に続くヒロイン像で描写して欲しいものです。

 しかしこうして単独の映画としてみると、実は結構切ないラブストーリーだなあ。誤解(?)から近しくなりきれなかった好きな女のために戦う男。クライマックスたる青山との対決シーンも、ラストの駅のホームのシーンも、切なくて泣けちゃうよ。それにしてもしほの部屋のシーンはこの上ない修羅場だねえ。

 主演の峯田和伸さん、ヒロイン黒川芽以さん、ライバルの松田龍平さんはみんな素晴らしかった。今年の個人的主演賞、助演賞候補だね。早いか。

(静岡シネギャラリー)

2010.04.01

「板尾創路の脱獄王」☆☆☆

 昭和初期、刑務所に移送されてきた鈴木雅之は拘置所を2度も脱走したいわく付きの囚人だったが、収監されて1時間もたたないうちにまんまと脱獄してしまう。程なく捕まる鈴木だったが、彼はその後何度も何度も脱走を繰り返していく。彼の目的はなんなのか。

 評判はいいようですが、個人的にはまあまあかなと言うところ。

 興味はなんでこいつがこんなにも脱走を繰り返すのかという点のみ。その興味だけを引き続けられたので観ることができたけど、うーん、それだけ。昭和初期とは言え、あんなにも簡単に(実際には簡単ではないにしても)脱走を繰り返すことができるって時点で訳分かんないっす。あれだったらあの時代は脱走兵だらけだったってことかなあ。やっぱそうなの? たしかに特異な技を持ってたり、頭もよく根性もあるから彼は特別なのかもしれないけど、刑務所も脱走されないようにもっと努力しようよ。
 脱走のその理由については腑に落ちると言えるのだけど、それがもし最初から分かっていたとしたら、この映画は特に面白いとは思えなかったでしょうから話自体はさほど評価しません。それにアレが目的だとしたら、きっと他にももっといいい方法があるんじゃないかな。彼の技術と才能であれば、ね。

 で、あの「ふれあい」は笑うとこ?(^^;)

(静岡シネギャラリー)

「幸福」☆☆☆☆

 ある日の午後、書店で乱射事件が起こり、その被害者の中に刑事の北の恋人、庭子がいた。北の先輩刑事の村上はその事件の担当となるが、その捜査過程で庭子の複雑な境遇を知る。また彼は妻に家出され、自分ひとりで育てている二人の子供との関係に悩んでいた。

 とても面白かったです。犯人は何のために、誰を狙ったのかといったミステリチックな展開と、殺された彼女がどういう人物だったのかがだんだん分かってくる人間ドラマ、そして奥さんに逃げられて子供と暮らす主人公の日常の厳しさや苦しさなど、いろんな要素が組み合わさっていながらバラつきがなく、どれも見事に伝わってくる素晴らしき演出にとても感心しました。
 今は亡き市川崑監督の30年位前('81)の映画ですが、あの時代だから出来たとも言える淡々としながらダイナミックな展開にはやられましたね。当時の技術で作られた”シルバーカラー”なる銀残しの映像は最初は古いからかと思っていましたが(^^;)、実は最近でもよく使われる手法の最先端だったとのこと。そこに価値を見出せるかどうかは人それぞれでしょうが、とりあえずは(笑)素晴らしいと言っておきましょう。

 水谷豊さん、中原理恵さんが若いなあ。永島敏行さんはあまり変わらないね。

(TV)

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