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2009.11.29

「笑う警官」 ☆☆☆☆

 札幌で婦人警官の変死体が発見され、それから間もなく容疑者は被害者の恋人だったという同僚の津久井だと断定される。津久井の射殺命令が出るが、かつて共に捜査を組んだ佐伯は津久井の無実を信じ、彼の無実を証明するために有志の仲間と共に極秘裏に捜査を進めることにする。実は津久井は翌日、道警の不祥事について道議会の百条委員会に証人として出席する予定であった。

 かなり複雑なのでちょっと頭の中を整理しないと辻褄が合わないところとかあるかもしれない。でもまあそれはそれとして、観ている間は次から次へと出てくる新事実の洪水に押し流されるように、息つく暇も無く圧倒されてしまいました。ラストオブラストの新事実についてはあまりに非現実性が高く思えてしまったためにちょっと冷めましたが、それを除けばとても面白くて楽しめました。

 最近とある航空会社のイメージを著しく損なう可能性のある映画がありましたが、これもまた警察という組織の醜い部分が、もしかしたら本当にあるのではないかという程度のリアリズムを持って示されている映画でした。これも実際の事件を下敷きにしているしね。これをもし信じるとしたら警察のイメージはメチャクチャ悪くなるでしょうし、ほとんどがフィクションとしてもいくらかはノンフィクションなのだろう、結局警察ってああいう汚職が蔓延しているに決まっているよって空気を観客が持たざるを得ないのも事実でしょう。まあ実際の世間世界でも99%の善者と1%の悪者がいると思うのだけど、警察でも99%がいい警官でも、1%は信頼できない警官がいるだろうってことなんですけどね。1%でもいると、警察の場合はやっぱりヤダよなあ。

(静岡ミラノ)

2009.11.27

第34回報知映画賞

 第34回報知映画賞が発表になりました。結果は以下の通りです。(敬称略)

作品賞    「沈まぬ太陽」
監督賞    西川美和 「ディア・ドクター」
主演男優賞  渡辺 謙 「沈まぬ太陽」
主演女優賞  松たか子 「K—20 怪人二十面相・伝」
            「ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜」
助演男優賞  瑛太   「余命1ヶ月の花嫁」「ガマの油」
            「ディア・ドクター」「なくもんか」
助演女優賞  八千草薫 「ガマの油」「ディア・ドクター」
            「引き出しの中のラブレター」
新人賞    岡田将生 「ハルフウェイ」「ホノカアボーイ」
            「重力ピエロ」「僕の初恋をキミに捧ぐ」
       満島ひかり「愛のむきだし」「プライド」「クヒオ大佐」


 驚きました。まさか「沈まぬ太陽」が作品賞だなんて〜。9部9厘「ディア・ドクター」か「ヴィヨンの妻」だと思っていました。前者はあまり好きでないし、後者は観ていないけど。(^^;) 「沈まぬ太陽」は映画自体の存在意義は高いと思っているけど、作品自体が作品賞を取るような映画とは思っていませんでした。内容よりも制作過程を評価された感じがします。ちょっと複雑。
 監督賞と主演賞二人は順当で予想通りだけど、助演賞は外れました。特に男優賞の方は予想だにしていなかったのでちょっと新鮮なほど。ただどれが、と言うのではなく本数で持っていった感じもありますね。
 新人賞はどっちかなあと思っていたら同時受賞。2人受賞は10年ぶりだって。でも実は二人とも新人と言っちゃうのはちとツライ気も。

 なんにせよ、毎年大好きな映画賞シーズンが今年もやってきちゃいました。次も楽しみです。

2009.11.25

「曲がれ!スプーン」☆☆☆☆

 超常現象バラエティ『あすなろサイキック』のADを勤める桜井米は、視聴者からの情報を頼りに超常現象やエスパーを探す番組企画の担当を任される事になり旅に出る。しかし出会う超常現象はどれもインチキばかりで落ち込む米。最後に彼女が取材の待ち合わせで向かったのは『カフェ・ド・念力』という喫茶店であったが、そこでは偶然本物のエスパー達が集い、普段隠している超能力を披露するクリスマスパーティーが開かれていた。

 ゲラゲラ笑うでもないんだけど、始終クスクス笑っていられる楽しい映画でした。夢があるよ。しかも優しいし。ほぼワンシチュエーションの中でちょっとずつ話が転がっていく様子が絶妙。その中で一人一人の小さな能力をそれぞれの見せ場でうまく使っていてとても感心。一番好きなのはやっぱり細男かな。(笑)

 超能力って本当にあるかどうかはよく分からないんだけど、あってもいいんじゃないかと思っています。あってほしいなとも思います。自分だったらどんな超能力が欲しいかなんてこともみんな結構考えますよね。ここに出てくるようなちっちゃーな超能力であっても、もし自分が持っていたらと思うと楽しそう。むしろ大きな能力があるより可愛いのがいいかもね。

 しかし初日初回で観客2人。(笑) まあ実は静岡の田舎で朝8時10分からという無謀な早朝興行だったんだけど、それでもこれはどうかなあ。ちなみに長澤まさみさんの前作「群青」は7人、少し前の「そのときは彼によろしく」は1人でした。「隠し砦」はまあまあ入ってたけど、もう長澤まさみでは客は呼べないんだね。映画は面白いんだけどね。

(静岡東宝)

「ゼロの焦点」☆☆☆

 禎子は広告代理店に勤める鵜原憲一と見合いで結婚した。1週間後、憲一は仕事の引継ぎのために元の勤務地である金沢へ向かう。しかし予定の1週間を過ぎても憲一は帰ってこない。禎子は金沢へ向かう。そこで禎子は夫の知らなかった姿を知り戸惑う。そんな中殺人事件が起こる。

 んーちょっと広末さん、頭よすぎではないか? あんなに何から何までお見通せるほどの条件が、彼女に伝わっていたっけか?(^^;) 別に彼女に説明してもらわなくたって、画面見て観客には伝わるという描写で十分だったのに。
 あのころの人々の暮らしって、今の僕らからすると想像もできないほど混沌としていて、想像もつかないくらい厳しいものだったのでしょう。それだけにいまこの映画を観ても、それぞれの立場の彼らがなぜそんな風に考えて行動し、なぜあの人は殺人まで起こしてしまうのかといった点にピンときにくいことも事実です。いまこの世界を理解するには、僕は恵まれすぎているのでしょう。

 広末さんは可愛いけれど実は結構古風な色にも染まれる顔立ちで、行方不明の旦那をじっと耐えながら探し続ける女性にもなかなか合っています。木村多江さんは落ち着いた雰囲気が役柄に合っていますね。中谷美紀さんはちょっと熱演過ぎかも。

(MOVIX清水)

2009.11.19

報知映画賞 ノミネート

 今年も私のテンションが上がる、映画賞の季節がやってきました。寒いのは嫌いですが、このシーズンは賞関係で燃えます。

 報知映画賞のノミネートと言うのが発表になりました。正賞発表は今月末。楽しみです。敬称略。


【作品賞】
「愛のむきだし」「ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜」「ウルトラミラクルラブストーリー」「風が強く吹いている」「空気人形」「クヒオ大佐」「K-20 怪人二十面相・伝」「ごくせん THE MOVIE」「サマーウォーズ」「さまよう刃」「ジェネラル・ルージュの凱旋」「沈まぬ太陽」「重力ピエロ」「誰も守ってくれない」「ちゃんと伝える」「劔岳 点の記」「ディア・ドクター」「ドロップ」「南極料理人」「のんちゃんのり弁」「ハゲタカ」「BALLAD 名もなき恋のうた」「ヤッターマン」

【監督賞】
大森寿美男「風が強く吹いている」沖田修一「南極料理人」君塚良一「誰も守ってくれない」木村大作「劔岳」是枝裕和「空気人形」佐藤嗣麻子「K-20」佐藤東弥「ごくせん」「カイジ」園子温「愛のむきだし」「ちゃんと伝える」中村義洋「ジェネラル・ルージュの凱旋」「フィッシュストーリー」西川美和「ディア・ドクター」根岸吉太郎「ヴィヨンの妻」横浜聡子「ウルトラミラクルラブストーリー」吉田大八「クヒオ大佐」若松節朗「沈まぬ太陽」

【主演男優賞】
浅野忠信「ヴィヨンの妻」「劔岳」瑛太「余命1ケ月の花嫁」大森南朋「ハゲタカ」小栗旬「クローズZERO2」「TAJOMARU」加瀬亮「重力ピエロ」草なぎ剛「BALLAD」小出恵介「風が強く吹いている」堺雅人「クヒオ大佐」「南極料理人」佐藤浩市「誰も守ってくれない」笑福亭鶴瓶「ディア・ドクター」松山ケンイチ「ウルトラミラクルラブストーリー」「カムイ外伝」渡辺謙「沈まぬ太陽」

【主演女優賞】
新垣結衣「BALLAD」榮倉奈々「余命1ケ月の花嫁」小西真奈美「のんちゃんのり弁」竹内結子「ジェネラル・ルージュの凱旋」仲間由紀恵「ごくせん」成海璃子「罪とか罰とか」「山形スクリーム」ペ・ドゥナ「空気人形」松坂慶子「大阪ハムレット」松たか子「ヴィヨンの妻」「K-20」松雪泰子「余命」

【助演男優賞】
瑛太「ガマの油」「ディア・ドクター」岡田将生「重力ピエロ」「ハルフウェイ」香川照之「カイジ」「沈まぬ太陽」「劔岳」「ディア・ドクター」亀梨和也「ごくせん」岸部一徳「大阪ハムレット」「のんちゃんのり弁」高良健吾「南極料理人」「ハゲタカ」田中圭「TAJOMARU」仲村トオル「K-20」「劔岳」生瀬勝久「ごくせん」「サイドウェイズ」「南極料理人」「ヤッターマン」林遣都「風が強く吹いている」三浦友和「沈まぬ太陽」

【助演女優賞】
天海祐希「アマルフィ」「カイジ」大後寿々花「女の子ものがたり」「カムイ外伝」志田未来「誰も守ってくれない」鈴木京香「サイドウェイズ」「沈まぬ太陽」中谷美紀「ゼロの焦点」夏川結衣「BALLAD」広末涼子「ヴィヨンの妻」深田恭子「ヤッターマン」松雪泰子「クヒオ大佐」「沈まぬ太陽」満島ひかり「愛のむきだし」「クヒオ大佐」「プライド」八千草薫「ディア・ドクター」余貴美子「ディア・ドクター」

【新人賞】
AKIRA「ちゃんと伝える」「山形スクリーム」安藤サクラ「愛のむきだし」「罪とか罰とか」岡田将生「重力ピエロ」「ハルフウェイ」「僕の初恋をキミに捧ぐ」「ホノカアボーイ」伽奈「プール」亀梨和也「ごくせん」柴本幸「TAJOMARU」「真夏の夜の夢」平愛梨「20世紀少年」大東俊介「旅立ち〜足寄より〜」中村勘太郎「ZEN禅」二階堂ふみ「ガマの油」西島隆弘「愛のむきだし」満島ひかり「愛のむきだし」「クヒオ大佐」「プライド」


 これだけノミネート多いと方向性もポリシーも全く見えてこないといえば見えてこないのですが、それでもある程度は今年の傾向が見えなくも無い。報知がどうだと言うのではなく、このノミネートを元に今年全体の賞レースの流れを少し予想。
 【作品賞】今年は「ディア・ドクター」「ヴィヨンの妻」「誰も守ってくれない」の争いか。
 【監督賞】もこの3本の3人と中村義洋、木村大作。
 【主演男優賞】は渡辺謙が大本命で、浅野、堺、鶴瓶師匠が追撃。
 【主演女優賞】はこのメンバーじゃ松たか子でほぼ決まり? 小西真奈美が対抗か。
 【助演男優賞】は香川照之さん以外ない感じ。あるとしたら生瀬さんくらい。三浦さんもあるかと思うけど、個人的には反対だな。
 【助演女優賞】は若い子が多いけど、鈴木京香、中谷美紀が有力かな。大後寿々花、満島ひかりが取ったりしても面白いんだけど。志田未来はもしかしたらあるかも。
 【新人賞】は岡田将生がノミネートされるなら、他の人は無いんじゃないかな。満島ひかりも新人賞?って感じだけど、選ばれるかもしれない。

 一応報知限定予想は、
【作品賞】「ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜」
【監督賞】根岸吉太郎「ヴィヨンの妻」
【主演男優賞】渡辺謙「沈まぬ太陽」
【主演女優賞】松たか子「ヴィヨンの妻」「K-20」
【助演男優賞】香川照之「カイジ」「沈まぬ太陽」「劔岳」「ディア・ドクター」
【助演女優賞】中谷美紀「ゼロの焦点」
【新人賞】岡田将生「重力ピエロ」「ハルフウェイ」「僕の初恋をキミに捧ぐ」「ホノカアボーイ」

 でいっときましょうか。
 しかしこのノミネート自体が信頼性があるか分からんので、他の賞になったら全然違う人が選ばれている可能性も大。

 それにしても「ごくせん」とか「ヤッターマン」が入っているのに「20世紀少年」はほとんど無視と言うのが可笑しいね。平愛梨を選ぶなら木南晴夏も選んで欲しかったな。

「超いんらん やればやるほどいい気持ち」☆☆

 老いた映画監督の夕景は病に伏して生死をさまよっていた。彼の意識の中、夕景は浜辺で映画と名乗る美しい娘と出会う。映画は何者か。遠い昔、青年時代の夕景は所属していた劇団の仲間の東雲と同棲していたが、やがて二人は別れ、その後夕景は夜半と出会う。

 エー登場人物の名前が何が何やら。(^^;)

 去年'08年のピンク大賞第1位となった映画なのですが、これは全然面白くありませんでした。映画製作に絡んでノスタルジックなことをやろうとしているのは分かるんだけど、個人的には全く懐かしさも切なさも愛おしさも覚えることは出来ませんでした。倒れた老映画監督に付き添う奥さんらしき女性が最後の方まで顔を見せないで、これは誰なんだろうという興味をつなごうとしているように思えるんだけど、これも効果が有るんだかないんだか。回想で描かれる3人の女のうちの一番のヒロインの存在意義もよく分かりません。
 観る前はちょっとばかり期待していたんだけど、ちょっとばかりでなく僕にはダメでした。

(DVD/タイトルは「超いんらん!快楽主義の女たち ポルノ業界、裏の裏」)

2009.11.16

「風が強く吹いている」☆☆☆☆

 寛政大学4年生のハイジは新入生カケルと出会う。カケルは事件を起こして陸上から遠ざかっていたが、実は圧倒的な走力を持つ天才ランナーだった。怪我からランナーになることを諦めかけていたハイジだったが、自らが寮長を務める寮にカケルを強引に入居させる。ハイジは密かに箱根駅伝へ出場する計画を立てていた。

 これは惜しいなあ。8割方超名作で物凄く面白かったんだけど、肝心の勝負どころの演出過多が悔やまれるなあ。実際のスポーツはあんな小ざかしい演出をしなくても、その過程と結果だけでも十分な感動を伝えることが出来るはずなのに。
 繰上げスタートの時間差のマジックをうまく使おうとしていたり、同じ速さで走っても他のランナーの兼ね合いで全然違う位置を走っていたりする点、違うチームであればタスキの中継のタイミングに差があることからその時間で他チームの選手同士が会話が出来たりする点など、駅伝、特に箱根駅伝で特有であるいろんなポイントを本当にうまく使っている点は本当に感心しました。
 それだけに体調不良や怪我でフラフラになるような演出は止めて欲しかった。箱根駅伝は1人あたりの距離が長いからほんの少しの調整ミスですべてが無駄になるくらいの過酷なレースです。あんなふうにもう少しで走れなくなるような選手が出たらもうそこでドラマはほとんど終わり。しかもこの映画では優勝ではなくシード権(10位まで)というある程度現実的なラインに目標を置いているので、レース全体にも現実性を持たせる方が感動を呼んだでしょう。あんな何キロも残っているところであんな状態になったら、もう復活なんて普通は無理なのですよ。それをやるのなら、やっぱり優勝しないとね。まあ、その場合は感動なんてしないけどね。全員がそれなりに全力をつくして走り、その結果でシード権に入ったかダメだったか。それだけで十分感動の嵐だったでしょう。僕だったら繰上げスタート分の時間差をうまく使って、実際のゴールで先に入ったチームのタイムに後から走ってきて時間的には追いつけるかどうかというような描写をするかな。
 と、かなりネタバレギリギリの感想ですみません。本当に残念だったのです。

 しかしそこに至るまでのドラマは面白かった。独特のペースとリーダーシップ、異常なまでの懐の大きさで周りの人すべてを導いていってしまうハイジはとても魅力的で、しかも小出恵介くんのキャラクターにベストマッチでこの上なく素晴らしい。最初はトンガリ気味だった林遣都くんが仲間に溶け込んでいく過程もすがすがしいし、他のメンバーもみな個性的で見ていてとても楽しい。みなそこそこのポテンシャルを持っているという設定も説得力があるし、その中では最初はダメな方だったメンバーが最後までエースになったりしないというのもなかなかいい。とにかく最後のレースの演出を除けば、今年ベストワン級の面白さで、物凄いハイテンションで鑑賞していました。あぁ、残念だあああ。

 でもまあ、それを含めても十分に面白かったんだけどね。

 しかし実際の箱根駅伝のコース、中継所を忠実に再現しての撮影は本当に見事としか言いようが無く、これを撮影したスタッフの意気込みは素晴らしすぎますね。街中で交通を止め、沿道にはエキストラを何百人も配置してレースを再現している映像にはそれだけでも感動しましたよ。

(静岡有楽座)

2009.11.11

「わたし出すわ」☆☆☆☆

 東京から故郷函館へと戻ってきた山吹摩耶。摩耶は高校時代の同級生・道上保と再会し、保の学生時代からの夢である「世界の路面電車巡りをしてみたい」という希望を聞き、「私がお金出してあげようか?」と告げる。次の日保のもとに大金が送られてくる。他にも、かつての同級生たちの夢を叶える為に大金を出す摩耶。彼女はなぜそんな大金を持ち、なぜ彼らの夢にお金を出すのか。

 お金は本当に恐ろしい。自分のものでもないにそこにあるというだけで人生が狂ってしまう登場人物が出てくるけど、あの気持ちは分からないでもない。だから夢がある、希望があるからといって友人がポンとお金を出してくれるというのも、やっぱりちょっと恐ろしい。自分だったらそれを受け取るかどうか。まあ他の友達がみんな受け取ってんなら僕も受け取るだろうけどね。(^^;)
 ってことで自分だったら何をしてもらうか。みんな考えるよね。やっぱり僕の夢って言ったら映画関係が考えやすい。映画を作るとか、映画館を作るとか、上映会とか、映画ロケ地めぐりとか、全国映画鑑賞の旅とか、全世界映画鑑賞の旅とか、全宇宙映画鑑賞の旅とか。。。うーん、夢は広がるねえ。誰か僕にお金をちょうだい。(笑)

 なんで摩耶がお金を出すのか、そんなお金を持っているのかもだいたい明らかになるんだけど、スッキリするかはまあ微妙なところ。そういう人もいて、そういうこともあるんだろう、くらいなもの。だからそういう謎解き的な部分よりも、いきなりお金を受け取った友人たちがどう変わっていくかの方に力は入っていますね。まあ当然か。上に書いたようにお金の素晴らしさやその反面の恐ろしさなどがきっちり描かれていてとても興味深く観れました。よかったです。

(静岡シネギャラリー)

「のんちゃんのり弁」☆☆☆☆

 生活力がなくいいかげんな夫範朋に見切りをつけた永井小巻は、娘の乃里子と一
緒に、母親の住む実家に戻ってくる。離婚を望む小巻だったが範朋は了承せず、何
かと付きまとってくる。何も目標を持たずにただ生きてきた小巻だったが、特技の
弁当つくりの腕前を活かして、弁当屋を開きたいと思うようになるが、資金もノウ
ハウも無い小巻には前途は多難であった。
 原作漫画は連載時にたしか読んでいた気がするんだけど、細かい内容はほとんど覚えておらず。いま調べたら未完で終わっているようですね。全然覚えてない。まあ改めて新しいお話を見てる感覚。
 中途半端に、でもそれなりに真面目に生きてきた30女が、改めて自分の生きる道を見つけて、それに向かって万進する姿がなかなか気持ちがいい。なんと言っても主人公小西真奈美さんのパワフルな口上とド迫力の喧嘩シーンが見所。とにかく迫力で、やれば出来るんじゃない感に満ち満ちた、そしてイキイキした演技が素敵。いや、とても面白いです。
 やっぱり人間、やりたいことをやって生きるのが一番だよね。それが仕事であれば尚更よし。やりたいことが見つからないまま生きていく人も多いのだけど、それはやっぱりもったいない。何か一つくらいやりたいことを見つけましょう。僕はもちろん仕事です。仕事以外に興味はありません。ハイ、うそですけど。

 しかし岡田義徳くんはすっかりダメ男が板につくようになってきたね。(^^;)

(静岡シネギャラリー)

「初恋 夏の記憶」☆☆

 病弱の母の療養のため家族で山間の町へ引っ越してきた佑介は美しい少女梨生と出会う。梨生は今は亡き父親の再婚相手と二人で暮らしていたが、その継母に反発してあれた生活を送っていた。佑介は傍若無人だが不思議な魅力を持つ梨生が気になってくる。

 日本映画界に貞子よりも伽椰子よりも恐ろしいヒロインの登場です。ビデオを観なければ現れない貞子や、家からなかなか出てこない伽椰子なんかよりも、向こうからズンズンと他人の領域に踏み込んで、純粋な青少年の気持ちをかき乱すだけかき乱して去っていくこの映画の主人公梨生はある意味ずっと恐ろしい。貞子や伽椰子よりもず〜〜〜〜っと悩み恨みの根は浅く、他人を傷つける意味合いなど全く理解できない存在であるこの梨生に、私は怒り心頭ですってよ。
 青少年がどんなことにドキドキして、どんなことでガッカリするのかをすべて知り尽くした上での傍若無人な振る舞いにはあきれ返ってしまう。改心したのかどうかすら分からないままの彼女に全く共感できないのです。だから少年のほうに感情移入すべきなのだけど、ただキレイなだけで何度も何度も振り回されてしまう年上の女から離れられない気持ちや彼女が自分の父親と仲良く思える瞬間を見てしまったときのショックは分かるっちゃ分かるのですが、でもやっぱりあんな女を結局好きになってしまう気持ちはやっぱり分からず。超微妙な鑑賞後感。

 ずいぶん前にこの映画のあらすじを読んだきりでその後忘れていた状態(ネットレンタルでいったん登録するとそのままの順番で送られてくるのだ)でこの映画を観て、鑑賞後にまたそのあらすじを読んだら鑑賞中の印象と全然違っててビックリ。主人公の彼女は「〜への屈折した思いから荒れていて、〜と関係を持ってしまう」とのこと。えーそんな理由には思えなかったし、あの人と関係を持っていたようにも思えなかった。慰められて抱きしめられただけじゃーん。アレじゃあ、分かんないですよ。

 「旅の贈りもの」と言いこれと言い、多岐川華子さんはすっかり不機嫌系わがまま少女のイメージが定着しちゃいました。気の毒と言えば気の毒ですけど、僕の中のイメージは結構悪いです。かわいそ。

(DVD)

2009.11.05

「僕の初恋をキミに捧ぐ」☆☆

 幼い頃に出合った逞と繭は将来結婚する約束をするが、逞は心臓病で20歳まで生きられないと言われていた。成長した逞はこのまま繭を幸せには出来ないと繭の成績では入学できないと思われた全寮制の名門高校に入学するが、繭も後を追い入試を突破する。

 終盤の展開は医学的にも病院の運営的にもえーそんなのあり?って感じで物凄く違和感を感じます。超超超・・・(中略)・・・超超超ご都合主義。全然感動しないしピクリとも泣けません。まあ基本的に大人の鑑賞に堪えうるようには作っていないのでしょう。劇場を埋め尽くした女子高生(そんな中で一人で観ているオジサンが私(^^;))は結構みんな泣いていました。彼女らの琴線には触れるのでしょうが、僕の心には届きませんでした。
 例えばあんな小さな子供をいきなり号泣させる演出には辟易です。8歳児にしてみれば20歳なんて遠い未来でしょうよ。友達がそこまで生きられないって言われて、その悲しみが実感できるなんて凄すぎじゃん。あと受験をなめんなよって感じだよね。(笑) それからほとんど運動してない逞が何であんなに足が速いんだ。もう、まったく。(^^;) 主演の二人は爽やかでいいのだけど、映画自体はどうかなというところ。

(静岡東宝)

「や・り・ま・ん」☆☆☆☆

 浮気性の賢一が10数年ぶりにあった昔付き合っていた嘉子と一夜を共にするが、次の日彼女は事故に遭い死んでしまう。遺骨を持って嘉子の身寄りを探す旅に出た賢一だったが、激怒した今のカノジョの美紀が行動を共にすることになる。嘉子の住んでいた町に着いた賢一は彼女の悪い評判を聞くが、嘉子は数年前に深く傷つく出来事にあっていた。

 基本的にピンク映画って面白いなあと常々思ってはいるのですが、この映画もやっぱり面白かったです。浮気性の男が昔のカノジョと寝てしまう流れや、そのカノジョがつらい出来事から荒れた生活を送っていた事実、旅に着いて来た今のカノジョが腹いせから自分も浮気してしまおうとするくだり、死んだカノジョの昔の男の態度、どれも心に残ります。

 ところで最後に列車に乗って二人が去るときに、反射で車体に思いっきり撮影スタッフが映りこんでいたのはご愛嬌。(笑) あとなんか妙なボカシの入り方がすると思ったらDVDがR-15バージョンなんだって。へー。

(DVD/タイトルは「誰とでもする男、誰とでも寝る女。」)

2009.11.03

「さまよう刃」☆☆☆☆

 ある日長峰重樹は中学生の娘が陵辱されたうえに殺されたことを知る。失意に沈む彼の元にある密告電話が入り、その二人の犯人が誰かを知った長峰はその一人の少年を刺し殺す。長峰はもう一人の犯人である少年を捜そうとするが、自らが殺人犯として警察に追われる身となる。

 娘を猟奇的に殺された父親の話なんて、実際に娘を持つ身からすると観ること自体ためらってしかるべきだけど、それはそれとして結局観てしまう映画バカの私。でも娘を殺されたことに対する悲しい想い以上に、犯人とそれを守る日本の法律を憎む想いのほうが強く描かれているために、娘を持たない他の観客と同じような想いでこの映画を冷静に観ることができました。主人公には娘を殺された悲しみよりも犯人に対する憎しみでリンクし共感を覚える形でしたね。

 日本の法律は誰が判断しても似たような犯罪には似たような刑罰になることを第一目標とされていて、どうしても犯罪のケースによってはその罪の重さに見合ったものとならないことがよくあるようです。この映画の犯罪も正確な罪名は分からないけど殺人ではなく拉致監禁+強姦+傷害致死でしょうから例え成人の犯罪だったとしても死刑はおろか無期懲役にもならない可能性が高いでしょう。被害者側からすればどうみても死刑以上をも望みたくなるような凶悪犯かつ凶悪犯罪であるにもかかわらず、です。拉致監禁×強姦×傷害致死(←イメージ)にはならないしね。ましてや少年犯罪の場合、10年もたたないで社会復帰してしまう可能性が高いです。こんな法律、絶対に間違っているじゃん、って言うのが観た人100人中おそらくは100人の感想ではないでしょうか。殺させてやれよって、誰でも思う。
 以前「刑法39条」(心神喪失者による犯罪)に対する激しい映画があったけど、この映画もそれに匹敵する疑問投げかけ型の映画になっています。法律や警察、犯罪に対する考えをめぐらせるきっかけになる2時間。これは貴重な2時間ですね。気分は絶対によくなりませんが、やっぱりみんな観ておいたほうがいいかもしれません。

(MOVIX清水)

「戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH」☆☆☆

 久しぶりに故郷に戻り、幼なじみのモトキとリンが結婚することを知ったケン。二人が住む家に行くことになるが、そこには少女が訪れていた。彼女は10年前にみんなで一緒に訪れた遊園地のお化け屋敷で行方不明になったユキだという。ユキの妹ミユも合流するが、ユキは発作と共に階段から落ち倒れてしまう。5人は病院へと向かうが、そこは誰もいない。気がつくと5人は10年前ユキが行方不明になったお化け屋敷に迷い込んでいた。

 清水監督もあえてそうしたとインタビューで言っていたようだけど、ホラーとは言え怖さに関してはかなり抑え目。それよりは過去と現在の事件の入り乱れ方に重点が置かれているのがまあ僕好み。
 ただ過去の真実を解き明かすと言うよりは、更に現代の事象を混ぜ合わすことでぐっちょんぐっちょんに描き回して訳分からなくさせておしまい。観ている間はそう来たかという感じだけど、終わってから冷静になればスッキリ度ゼロ。何がどうなっているのやら。

 3D映像はたしかに立体的に見えるのだけど、それに意味があるのかどうかは疑問です。べつに3Dである必要性は感じず。偏光メガネで光量半分になっちゃうわけだから妙に暗いしね。最初の10分もすればあとは疲れるだけ。これから立体映画が増えていく気配もあるけど、観客側が受け入れていくかは僕は微妙だと思っています。今は新技術としてみんな使いたがっているけど、たぶん3〜5年くらいたったらほとんど無くなっているんじゃないかな。むしろ無くなっていて欲しいくらいです。この映画も特別料金の2,000円も払わないでフツーに1,000円とかで観たかったよ。

 しかーし柳楽優弥! どうした、そんなに太っちゃって!(^^;) 体調整えて頑張ってくれ。あと前田愛さんがなかなかよかった。

(静岡ピカデリーZERO)

「カイジ 人生逆転ゲーム」☆☆☆

 目標もなくダラダラとした日々を送るフリーター、カイジは、友人の保証人になっていたことからその膨大な借金を背負わされることになってしまう。取立ての金融会社の女社長遠藤は「一夜にして借金をチャラにできるチャンスがある」とある船に乗船することをカイジに勧める。その船の中で行なわれるカードゲームで勝利すれば、大金が手に入るのだ。しかし負けたものの運命は分からない。カイジの命をかけた戦いが始まってしまう。

 うん、まあ面白い。明らかにいまの日本ではない架空の無法地帯国での話としか思えないので、それならそれでという感覚で挑むことができればわりと面白いんではないでしょうか。

 こういうゲームもの、クイズもののようなものは自分だったらどうやって抜けるかというのをつい考えてしまうのが面白い。
 最初の限定ジャンケン。あれはたしかに山本太郎さんが提案したとおりにすれば100%勝ちだろうから、ゲームとしては抜けがあるわけです。同じ相手と2回以上勝負できないとかしないとダメだよね。でもあの状況でそれに気がつく人はそうはいないだろうし、そこに気がつけば、そして他人をもう一人説得することができればあそこを抜け出せると言うのは絶妙な抜け道でもある。
 最後のEカード。奴隷側が勝つ確率は1/5なので賭け率10倍は実は奴隷側に有利なルール。1/5ってことは3回やったら1回でも奴隷が勝つ確率は実は48.8%にもなるのだ。だからこれも本当は奴隷側を選ぶのが正解なのだけど、そこにあの状況で気がつくのかはやっぱり絶妙な仕掛けになっているのですね。ただもちろん最初の2回負けたら3回目は半端なくドキドキだけど。(笑)
 しかし2つ目の高所平均台渡りだけは対処法も抜け道もなし。チキンな私には絶対に通り抜けられません。(^^;) かなりドキドキしながら観てしまいました。

 それにしてもあんな経験をしてしまったカイジがあの後もうまともな(地道な)人生を歩めるとは到底思えず、もうどこかで取り返しのつかない状況に落ち込むまでずっとギリギリの人生を歩んでいくんだろうなと思います。あの人生で輝けるのはきっと一瞬だよ。

 あと今年の香川照之さんの充実ぶりはスゴイね。出る映画出る映画みんなスゴイもんね。

(静岡東宝)

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