尼崎脱線事故に思う
本当に痛ましい大きな事故がおきました。亡くなられた方、遺族の方、心からお悔やみ申し上げます。
原因ですが、迂闊なことは言えませんが、おそらくは幾つかの要因が重なった本当に不幸な偶然だったのではないかと思います。スピードが出すぎていたのは間違いないでしょう。急ブレーキや石もしくはその他の障害物の存在もあったかもしれません。運転手の経験も不足していたでしょう。会社の体質や規則が運転手に与えていた心理的影響もあったかもしれません。整備不良があったもしれません。極端な例ですがもしかしたら乗客の位置によって妙な重力バランスになっていたのかもしれませんし、それぞれ普通なら問題にならないようなレールのゆがみと車輪のひずみがぴったりとはまってしまったかもしれません。もしかしたら運転手が事故の前にすでに発作等のトラブルに巻き込まれていたかもしれません。
まだ原因は分かりません。おそらくは推定以上に完全に解明されることはないでしょう。
ただ言えることは、一つ一つの要因はおそらくは普段からほぼ日常的に存在していることなのではないでしょうか。経験不足の運転手などいくらでもいるだろうし、スピード超過も多少のものならおそらく起きていることでしょう。事故にならないレール上の小さな障害物だってよくあることかもしれないし、小さな故障などいくらでもあるでしょう。会社の体質も事故そのものには直結はしないでしょう。
一つ一つなら、こんな事故は起きていないと思います。スピードだって、30Km/時くらいの超過で脱線するとしたら、それは制限速度かレールの設計の方に問題があると思います。(実際はまだどの程度の速度だったかは不明)
このスピードですが、僕らも車の運転においては日常的に制限速度を超過しているのは間違いありません。スピード違反しない運転手なんていないでしょう。(つかまらない運転手はたくさんいるけど) 20や30の超過は例えば高速道路なら誰でもします。50Km/時以上の超過を平気でする人も多いです。数人乗りの車と何百人の命を預かる電車では違うとも言う人もいるでしょうが、命の重さは数ではありません。それに数で言うなら一台の車の暴走が何十台の事故につながる可能性もありますし、その中に何十人が乗ったバスなどが含まれることもありえます。我々も、スピードに対する意識をもっと持つべきなのではないでしょうか。
今回の事故を見て、電車は怖い、乗り物は怖い、責任はどこだ、などと思うだけでは事故の教訓にはなりません。(もちろん責任の所在はある程度ははっきりさせておいた方がいいでしょうが) 自分は公共の乗り物を運転するわけではないから関係ないなどと思わず、自分で運転する乗り物、自分で稼動する機械に対して、改めて認識を持ち直すことが必要なのではないかと思うのです。
暴走ドライバーよ。自分がスピードを出しているだけじゃたぶん事故は起きないけど、そこに他の何かの要因が起きたときに事故は起きるんだよ。人が飛び出すかもしれない。石を踏むかもしれない。隣の車がスリップするかもしれない。それでもある程度は対処できるように走りましょう。相手のせいにしたって事故の後では遅いよ。自分でなくても後ろからあなたの猛スピードの車が現れて前の車が焦って事故るかもしれない。事故の要因は大抵ひとつじゃない。だから一つ一つをみんなで消していきましょう。
本当に、こんな事故はなくさなくてはいけません。他人事じゃないですよ。
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