第28回日本アカデミー賞
第28回日本アカデミー賞が発表になりました。結果は以下の通りでした。
作品賞 「半落ち」
監督賞 崔 洋一 「血と骨」
主演男優賞 寺尾 總 「半落ち」
主演女優賞 鈴木京香 「血と骨」
助演男優賞 オダギリジョー「血と骨」
助演女優賞 長澤まさみ 「世界の中心で、愛をさけぶ」
一応作品賞と主演男優賞は予想通りだったのですが、それ以外は見事に外しました。(^^;)
日本アカデミー賞の法則(笑)に則って、主要賞にノミネートの多い映画(今回は「半落ち」)が作品賞になってそのままそれに引っ張られて各個人賞も取っていくのかと思っていたのですが、作品賞に引っ張られたのは寺尾さんだけで、あとは監督賞の「血と骨」に引きずられる形になっていました。じゃあなんでたけし氏はノミネートすらされていなかったのかがよく分からない票の動き方でした。まあ松竹としては主演賞を永瀬君に取らせたかったんだろうなあ。でも失敗しちゃったのね。
長澤さんの受賞はとても嬉しいんだけど、やっぱり意外でした。間違いなく樹木さんだと思ってたから、最初に長澤さんが来たので、その後の予想が全くできなくなりました。(^^;) でもだいたい長澤さんは主演だと思うんだけどなあ。そう言えばあの映画って、過去のパートと現代のパートとどっちが長いんだろ? 印象度では断然過去のパートの映画だけどね。ちょっと誰か時間を測ってみて欲しい。(笑) ただここまで各賞がみんな彼女を助演扱いするのだから、日本映画界全体のルールにおいては、あの出演形態だと助演ということなんでしょうね。このへん難しいですなあ。
しかしこの票の流れでよく「半落ち」に作品賞がいったなあ。たぶん作品賞が一番票が割れたんだろうね。作品賞も監督賞も脚本賞(「スウィングガールズ」)も違う作品だなんて、どう評価していいんだか分かりにくいよね。ちなみに今回一番受賞数が多かったのは脚本賞、録音賞、編集賞、音楽賞、話題賞(作品部門)の5部門(新人賞のぞく)を受賞した「スウィングガールズ」だったりするんだけど。「半落ち」はわずかに2部門って作品賞なのに不思議。
それにたぶん間違いなく言えることは、キネ旬、ブルーリボン、報知で作品賞に輝き、キネ旬では読者選出でもベストワンになって、カンヌで主演男優賞をとると言う海外での高い評価を得、単館系から全国に流れて大ヒットを記録した「誰も知らない」がトータルで2004年を代表する1本なのは間違いないと思うんだけど、それが作品賞にも監督賞にもノミネートすらされてないんだから、やはり困ったもんだなあと思うわけです。
まあ困ったものと言えばキネ旬、毎日、日刊スポーツで受賞している主演男優賞のたけし氏も、キネ旬、ブルーリボンで受賞している主演女優賞の宮沢りえさん、毎日、日刊スポーツで受賞している監督賞の黒木和男監督さんらは間違いなく2004年を代表する面々だと思うんだけど、みんなやはりノミネートすらされていないんだからねえ。ホント、日本アカデミー賞は評価が難しいです。(^^;)
4,000人以上が投票するこの賞ですが、おそらくほとんどの人はノミネートされた映画を全部観てるわけではないんだろうなあと感じています。だから作品のネームバリューが高い映画と、自社の映画への投票がイヤでも多くなるんじゃないかなと思っています。
という賞なので去年の主演女優賞の寺島しのぶさんや今年のオダギリさん、長澤さんの受賞には本当にビックリしました。「あの」日本アカデミー賞が、こんな真っ当な評価を選出できるなんてね。あの「shall we ダンス?」全部門制覇の日本アカデミー賞が、あの「鉄道屋」主要部門独占の日本アカデミー賞が、こんなに一つ一つの賞ごとにきちんと賞をバラけさせることができるなんてね(技術賞も結構「スウィングガールズ」と「世界の中心で、愛をさけぶ」が分け合ってるのだ)。日本アカデミー賞も少しずつ、変わってきているのでしょうか。
でもまあ、ノミネートくらいはもう少しきちんとしようよ、との思いも消えないんだけどさ。
ところで僕はあの授賞式の中継が大好きです。賞の中身は価値が低くとも、僕の中であの番組の価値は高いです。数ある賞の中で受賞の瞬間が見れるのはこの賞だけだし、全員でないにしてもやはりその年を代表するメンバーが一同に会してそれぞれコメントを自分の口で聞かせてくれるのはこの番組だけです。ほかはほとんど新聞やネットの記事でまとめられてフィルターを通して整えられたコメントを読むくらいだもんね。毎年観ているし、これからもずっと観ます。なくならないでね。
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こんばんわ~
TBありがとうございました~♪
>でもだいたい長澤さんは主演だと思うんだけどなあ
私もてっきり主演かと思っていましたよ~
過去と現在の扱いの違いでしょうか~
>4,000人以上が投票するこの賞
そうなんですか、知りませんでした。
日本の映画に興味なかったものですから・・
てっきり裏の力が働いているものと・・・
だって、「今あい」があんなにヒットしたのに、竹内さんの観客動員力はすばらしいのに・・・
なっとく行かなかったのですよね~
それだけを楽しみに、TVみたようなものだったので(笑)
Posted by: MoonDreamWorks | 2005.02.22 10:53 PM